長短金利の逆転でますます困難! 債券による運用とは?

みなさん、こんにちは。

現在は超低金利時代で、債券で運用するメリットは長期運用の場合にはほとんどありませんが、ここで債券で運用することを見ていきましょう。

 

債券の利回りを見るということは、長期金利を見ることになります。

 

ところで、債券市場には2種類の市場があります。発行市場と流通市場です。発行市場は、新たなに資金調達をしたい企業や国が、債券を発行する市場で、流通市場は、すでに発行されている債券を持っている人とその債権を買いたい人が売り買いをする市場です。

債券は主に7種類あります。①国や地方自治体が発行する国債、②政府がその元金や利息を支払うことを保証している政府保証債、③独立行政法人などが発行する債券で保証がない財投機関債、④海外の発行体が円建てで発行するサムライ債、⑤企業が発行する債券である社債、⑥特定の金融機関が発行する金融債、⑦金融機関が発行する債券で発行した金融機関が保有するローンなどを組み込んだABS(資産担保証券)

 

今回はこのようにたくさんある債券のうちの金融市場における主役である国債に関してスポットを置いて考えていこうと思います。

 

この国債は、満期までの期間に応じて、4つに分類されます。短いものから、期間が1年以内の国庫短期証券、2年から5年の中期国債、10年の長期国債、20年から40年の超長期国債です。一般的に、期間が長ければ長いほど金利は高くつきます。当然ですよね。期間が長いということは、完済までの期間が長いということであり、お金を貸していた人からすれば、それだけの期間そのお金を手放す必要があるということです。そのため、そのリスクに見合うように金利が高くなっています。

しかし、最近その長短金利の差が逆になっているという問題があります。つまり、長期金利と短期金利を比べた時に、長期金利のほうが短期金利よりも低くなっているというのです。これを逆イールドと言います。このような状況になると、投資家はわざわざ長期の債権を保有する意味がなくなってしまいます。そうすると、国や企業は債券を発行しても買い手がつかずに資金調達ができなくなってしまいます。債券による資金調達は国や企業の運営にはとても重要な役割を果たしています。その償還を早期にせざるを得ないということは、それだけ企業には事業を軌道に乗せるために残される時間が少なくるということであり、不景気の始まりであると言われています。そのため、総じて株価は下がりやすくなるというのが今までの傾向です。しかし、その一方で短期債券は利回りが高くなるので、短期の債券は今後値上がりする可能性が高いです。短期的な投資戦略として債券を保有し、売却することでキャピタルゲインを狙うことができるのではないでしょうか?

 

 

また債券はクーポン(つまり金利)の付き方によっても分類することができます。通常通り、年一回一定の利息が支払われるような利付債や、毎年受け取る利息が変動する変動利付債、利息は付かない代わりに割引されて発行される割引債(ゼロクーポン債)、物価の上昇に連動して支払われる利息が変動する物価連動債などがあります。

 

現在は、世界的に金利が下がる時代ですよね。日本はいつになったら金利が上がるのか当分見込みがないですし、他の国特にアメリカでも今は不景気気味であるという政府の判断がるので、9月には追加で金利を下げようとする動きがあります。このように金利下がる傾向が強い時には、変動利付債よりも固定利率の利付債のほうが有利です。現在のように今後金利が下がっていく可能性が高いという場合には、変動利付債で保有すると毎年受け取ることのできる利息は減っていきます。短期で償還される債権の場合には満期まで保有することは変動利付債でもよいかもしれませんが、長期で運用する場合には変動利付債では受け取ることのできる利息は今後ますます減っていくのではないでしょうか?

逆に、今ではそう考えることはできないと思いますが、金利が今後上がると考えられる場合には、固定金利ではなく、変動金利の債券を保有した方がよいです。金利は毎年上がっているのに、固定金利では受け取ることのできる利息は毎年同じであるからです。このように債券で運用する場合には、今後の金利動向がどうなるかをしっかり判断したうえで固定金利か変動金利を選択することでより利回りの大きい投資ができるようになると思います。

 

今回の内容は以上です。債券での運用の場合には金利の影響を非常に大きく受けます。今後金利がどうなるのか、現在の金利に対して価格は割高なのか割安なのかを分析することで、短期の投資でも着実に利益が挙げられる投資手法になっています。

 

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