ファンドの選び方 決算の頻度、分配金  ~結局分配金はあった方がよいのか?~

みなさん、こんにちは。

投資信託を選ぶ時、ネット証券で選んだ場合には非常にたくさんの投資信託があり迷ってしまいますよね。しかも、同じファンドでも「毎月決算型」や「一年決算型」など決算の種類だけでも数種類あり、どれがいいのか迷ってしまいますよね。今回は決算の種類に関してどれがよいのかについて考えていきますが、結論としては「一年決算型」以外は選択しなくてもよいと思います。以下でその理由に関して述べていきます。

まず、決算とはどういうことなのかということと、決算の種類に関して述べていきます。

決算とは、SMBC日興証券のHPによると、「その期間の投資信託の損益や資産状況の計算、分配金の支払いなどが行われます。運用報告書は決算日に作成され、投資信託を保有する投資家に配布されます。」(2019年7月24日現在)ということです。以上のようなことを行う日のことを決算日というのですが、今回はその中でも分配金の支払いという点に注目していきます。分配金とは、投資信託で運用をする場合利益が出る場合があります。その利益の一部を決算日に還元する仕組みです。ただ、分配金は必ず支払われるものではないですし、また、支払われたとしてもそれはファンドの運用がうまくいっているからとは限りません。運用がうまくいっていない場合にも分配金は支払われる場合もあるということに注意が必要です。

分配金を支払う仕組みには、「毎月決算型」(毎月分配金を支払うもの)、「3か月決算型」(3か月に1回分配金を支払うもの)、「半年決算型」(半年に1っ回分配金を支払うもの)、「1年決算型」(1年に1回分配金を支払うもの)というものがあります。しかし、冒頭でも書きましたが、決算は「1年決算型」の方がよいですし、出来ることなら1年決算の中でも分配金を支払わない投資信託の方がよいでしょう。以下でその理由に関して説明していきます。

 

分配金を出すファンドが長期投資にお勧めできない理由

理由1 分配金を再投資したとしても分配金排出時には税金がとられる

長期投資をするときには、分配金は再投資をするというのが基本だと思いますが、特定口座で運用をしていた場合には分配金排出時に利益が出ていた場合にはその利益分に対して、20.315%の税金がかかってしまいます。これがどうして問題なのかというと、税金でとられる分機会損失が生まれるからです。どういうことかというと、例えば20万円投資をしたとして、決算日で1万円の利益が出たとします。考えるケースは、①この1万円を分配金として排出して再投資した場合と②この1万円が分配金として排出されずにそのまま運用が続いた場合です。そして、どちらにも共通して、その後5%の運用益が出た場合です。
まず①に関してです。1万円の運用益がどちらも出ているので、ここでは利益として出た1万円だけで考えていきます。この利益の1万円は分配金として排出されるので、再投資をしているとはいえ、20%の税金がかかりますので、実質再投資される金額は1万円のうち8000円です。なので、その後5%の運用益が出たとしても、400円です。
それに対して②の場合ですと、1万円の運用益はそのまま運用が続きます。そのため、その後5%の運用益が出ると、以前出ていた1万円の利益に対してそのまま5%の利益が出ますので、その後さらに出てくる利益は500円です。
ここで出てきた最終的な差分は、たった100円ですが、投資金額が大きくなった場合や、最初に生まれる利益が大きい場合には後々非常に大きな運用益の差になります。長期投資を基本に考えているのであれば、分配金はできる限り出さないファンドで運用をした方がよいのは明白だと思います。

 

理由2 NISAを利用していた場合には、少しわかりにくくなる

NISAを利用している場合、年間で120万円の非課税枠がありますよね。そのおかげで、分配金を出して再投資をしたとしても、税金をかけずに運用が続けられます。これは理由1を克服したように見えるかもしれません。しかし、ここで少し見落としているところがあります。それは、分配金を出して再投資をした場合には、その再投資をした金額分NISA枠を使うことになるということです。枠が年間で多く余っている場合には、特に問題はありませんが、NISAを使ってつみたてを行っていたり、その後度かでNISAを使って購入したいファンドがあった場合には予定よりも購入できない場合がある可能性があるということです。
しかし、分配金を排出しないファンドであれば、もともとの購入原資がNISA利用枠になるので、NISA利用でのファンド購入が非常に計画的に行えます。このような点でもできる限り分配金は排出しないファンド、輩出したとしても1年決算型のファンドにした方がよい理由です。

 

以上が分配金を出すファンドがお勧めできない理由です。

毎月ちょっとした小遣いが欲しいとか、分配金に関するリスクがわかったうえで毎月決算型にするのであれば、それは全然よいですが、長期投資(基本的には3年以上)で運用する場合には、分配金は出さない方がよいです。出してしまうと理由1のような機会損失が生まれる可能性が高くなってしまいますし、NISAを利用している場合には計算がおかしくなってしまう可能性を常にはらみます。

ファンド選びには以上のような決算の仕方や分配金お出し方にも注意していきましょう。

 

%d