金利低下の危険性 ~現在の最高値更新ブームは楽観視していいのか~

みなさん、こんにちは! りょーへーです。
この記事を見ていただいてありがとうございます。

日銀でマイナス金利が適用されてから、もう結構時間が経ちましたね。政府のインフレ目標を達成するのはいつなんでしょうか? 2%の物価上昇水準は、夢の話になるそうな予感ですね。銀行員でかつ、個人的に投資をしている人間からすると、安定して利益を狙うことが難しくなっているうえに、様々な金融商品も利率が非常に悪くなっているので、商品によっては購入する意味がないのではないかと思ってしまうものもあります。
日本でのマイナス金利は、日銀の当座預金に預ける準備金の限度額を超える範囲内でしか適用されていないので、マイナス金利の影響は他のマイナス金利が適用されている国と比べて限定的ですが、最近ではメガバンクを筆頭に口座維持手数料などの話が出てきていますよね。現在ヨーロッパでは口座維持手数料がかかる国があります。そのような国では、月ごとにその手数料がかかってきますが、すべての口座に手数料がかかるわけではありません。給料口座に設定されているということや、月にいくらかの入出金があるかという基準が設けられており、それによってその手数料が免除されるということがあります。なので、ただへそくりとして貯めている場合には、口座維持手数料がかかってしまうということです。金融機関も全然利用されていない、ただ置いてあるだけの口座は管理費用だけが重くなってしまうので、利益を逼迫してしまいます。

 

このようにマイナス金利は、銀行の利益を逼迫していますが、別にそれ自体は悪いわけではないです。高度成長期やバブルにかけては、どんな企業であれ成長の余地が残されていたので、資金需要が非常に大きいです。設備投資などファイナンスをしっかり行えば必ず利益が出ていた時代でした。なので、それに応じて資金供給力のある個人から預金として資金を集めて、そちらに貸し出しをすることによってその利ザヤ収入を得ることができていました。
しかし、金利低下によって利ザヤ収入が低下するので、それに応じて銀行などの金融機関は新たなサービスを展開しなければなりません。そして、そのサービスが展開できなければ吸収合併などによって淘汰されるだけです。

 

さて、この記事では、このマイナス金利の本当に注意しなければならないことを書いていこうと思います。

上記で、金利低下がなされる中で新しいサービスを展開できない金融機関が淘汰されていく、ということを書きましたが、それは利益が小さくなっていくということでゆっくり進んでいくことが多いので、そこには市場の独占という問題が生じますが、大きな問題にはならないと考えます。
しかし、別に大きな問題が生まれる可能性があります。それが、利益が小さくなっていった金融機関がどうするのかということです。現在、金融機関は国債などを中心に安定的に利益を狙うような運用をしています。しかし、マイナス金利が適用されているために金利が非常に低いです。そのため、国債での運用も難しく、今後は代わりの運用を行う可能性が高いです。そして、金融機関は運用益を求めて、リスクの高い運用を行うようになるでしょう。

その運用で利益が出ている間は問題がないですが、利益を出すことができなくなり、損失ばかりを抱えてしまったらどうなるのでしょうか? このリスクが高く危険な運用はどのような投資なのかはわかりませんが、ただの現物取引ではなく、デリバティブなどの仕組みを利用したものになる可能性が高いです。このような仕組みには流動性を低下させるリスクをはらんでいます。損失が重なればさらに、流動性が低下します。

このようなことになれば、流動性の著しい低下が起き、リーマンショックの再来ということにもなりかねません。

現在は、ちょうど株式などで最高値更新ブームが起きています。このブームが終わったらいったいどうなってしまうのでしょうか? リーマンショックの本当の原因は危険な投資を行うことができるようになった20世紀末における財務レバレッジや銀証兼業可能化に関する規制緩和が本当の原因だと言われ、サブプライムローンのCDO化による過剰投資はきっかけにすぎないと言われることがあります。現在は金利における規制緩和が進んでいます。今の世界は金利低下と株高ムードです。この株高の終わりを迎える時なのか、金利を上昇させようとするときなのかはわかりませんが、今の動きを終わらせようとするとき、その時が終りのはじまりになるのではないでしょうか?

 

 

今回の内容は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。
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