日経リンク債の真実! 誰がどう儲けているのか?

みなさん、こんにちは! マネーの育成術へようこそ!
この記事を開いていただきましてありがとうございます。

さて、今回の記事では、様々な証券会社で販売されている仕組債の仕組みに関して紹介していきます。

仕組債には様々なものがあるので今回の記事ですべてを網羅することはできません。そこで今回は、日経リンク債に絞って、デリバティブがなんであるかを説明しようと思います。

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日経リンク債の特徴

さて、日経リンク債という仕組債がありますが、その概要は知っていますか? 簡単に概要を書いていきましょう。仕組債は様々なアレンジを加えることができるので、条件はその都度確認した方が良いですが基本的な特徴は以下の通りです。

 

1、満期があり、定期的に利息を受け取ることができる

2、ノックイン価格というものが設定され、株価が下落したとしても、条件付きで元本保証

3、満期を待たずして、償還されるトリガー価格という条件が設定されている

4、ノックイン価格を下回った場合でも、満期時に当初価格を上回っていれば元本確保される

 

仕組債は、そのような特徴があるわけですが、どのような仕組みになっているのか、これから説明していきます。

 

オプション取引とは何か?

仕組債はオプション取引によって、その損益が決定します。

オプション取引とは、簡単に説明すると、

「株などの有価証券を特定の値段で売買する権利を売買すること」である。

そう、あくまで「権利」の売買である。

 

つまり、権利を買う側は対価として、オプション料金というものを支払い、権利を売る側は対価としてオプション料金を受け取るのである。

そして、権利を買うことをロングと言い、権利を売ることをショートと言います。

また、買う権利のことをコールと言い、売る権利のことをプットという。

なので、例えば、Aという株式をいついつまでにX円で買う権利を購入することを、「コールのロング」という。

その後、どのように取引をするのか?

権利を購入した場合

簡単に言うと、期限までにそのA社の株式を買い、同時に売却するのです。

この場合、権利行使時にA社株式の時価がX円よりも高い場合には利益になり、

X円よりも低い場合には損失になる。

そして、その差額分を受け取るあるいは支払うのです。

ただ、必ずしも権利は行使しなければならないものではない。

つまり、権利行使をしたら損失が生まれるのであれば、権利を放棄すればよいということである。

その場合ロングポジションをとっている者の損失はオプション料金に限定されます。

権利を売却した場合

ここまで、権利を買う側、ロングポジションの説明したので、次は権利を売る側、ショートポジションをとっている側です。

ショートポジションは権利を売る側です。つまり、買い手がいます。

その買い手からオプション料金を受け取ります。

例として「コールのショート」をとっているとします。

もし株価が下落してしまって、買い手が権利行使をしなければ、

ショートポジションをとっている側は、オプション料金を受け取って終了。

しかし、逆に株価が上昇した場合には、買い手は権利行使をします。

この場合、売り手側が買い手側に差額分を支払うようになります。

 

ロングポジションとショートポジションの利益は以上の関係にあります。

つまり、ロングポジションの場合には、

損失は限定的だが、利益は無限である。

逆に、ショートポジションの場合には、

利益は限定的であるが、損失は無限である。

 

 

日経リンク債の損益について

 

さて、とりあえずここまでオプション取引に関して説明したので、

次は、日経リンク債をこれに当てはめて考えてみましょう。

 

権利行使に関係する価格は、トリガー価格とノックイン価格だ。

トリガー価格は、通常当初価格以上に設定される。

逆にノックイン価格は通常当初価格未満に設定される。

トリガー価格はコールオプションに関係し、ノックイン価格はプットオプションに関係する。

そして、仕組債で受け取ることができる利息は、いわゆる利息ではなく、

オプションプレミアムである。つまり投資家はショートポジションをとっているわけです。

 

つまり、仕組債を購入している人は、オプション料金を受け取っているのである。

さて、そのオプションプレミアムは、コールオプションなのかプットオプションなのか?

答えは両方です。

トリガー価格がコールオプションで、

ノックイン価格がプットオプションである。

それは証券会社がどのように利益を出すかを考えれば導き出されます。

証券会社側は、オプションプレミアムを支払うわけですが、

プットオプションの行使価格であるノックイン価格以下に下落する可能性は非常に低い。

しかし、トリガー価格以上に上昇する可能性は非常に高い。

そこで、判定日に株価が所定の条件よりも上にあったときに(トリガー価格の時に)、

値上がり分の利益を受け取ることができるということです。

仕組債はだれがどのように儲けてるのか?

しかし、この仕組債はゼロサムゲームです。

オプションプレミアムを支払う期間が長くなればそれだけ投資家側は利益になりますが、

証券会社側は損失になります。

逆に期限前償還が早まれば、投資家側の利益は少なくなりますが、

証券会社側の利益は大きくなります。

 

このように仕組債購入者は利息を受け取っているわけではなく、

オプションプレミアムを受け取っているわけです。

では、オプションプレミアムはどのように決まるのか?

ここに関してはまたの機会にしたいと思います。

まとめ

今回の内容は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。

仕組債は、年間で数%の利益を期待できますが、場合によっては3か月や半年で終了してしまうようなトリガー価格という条件が定まっています。このため、思った以上に利益が小さくなってしまうという事態になってしまいます。とはいえ、ノックインという条件が定まっており、元本割れしにくいという条件もあります。なので、リスクを小さくして、定期的に利息収入を受け取る場合には非常に良い選択ではないかと思います。

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