先週の出来事 日経平均の年初来高値とS&P500の最高値はどう起きたのか?

みなさん、こんにちは、りょーへーです。
この記事を開いていただきありがとうございます。

 

最近ものすごく寒くなってきましたね。毎朝布団から出ることとの格闘です。

 

ところで、先週の10月29日(火)にものすごく大きなニュースがありましたよね。どういうニュースか覚えていますか? そうです。日経平均株価が一時的に23000円を突破し、年初来の最高値を付けたことです。結局利確の売りなどが入ってきたためにその日の終値は22974円と終値までは23000円を超えることはありませんでしたが、非常に良いニュースです。そのほかにも、日本時間の11月2日にS&P500が史上最高値を更新しました。3066ポイントですね。

 

では、このように少なくとも日米でですが、非常い良いニュースがありました。なぜこのような数値になったのでしょうか?先週の出来事(10月28日から11月1日まで)を振り返っていきます。

 

その前に、今回の日経平均株価が大きく上昇したり、S&P500が過去最高値を更新した原因あるいはきっかけになるような大きな出来事ははっきり言ってありませんでした。どういうことかというと、今回の指数の上昇は、「景気が悪くなるかもしれないと思っていたけれども、実際に統計情報を見てみたらそれよりも良い数値が出ているし、どうやら米中の貿易摩擦も少し解消してきたかもしれないので、景気懸念材料は小さくなってきたかもしれない。」というところが大きいと考えられます。

 

具体的にどういうところに懸念材料があったのかというと、

①米中貿易摩擦
②ブレグジット
③IT市況の悪化
④景気後退リスク
⑤円高リスク

 

まずはそれぞれを見ていきます。①の米中貿易摩擦ですが、APECがチリで開催予定でしたが、チリではデモなどが盛んに行われていたために、チリでの開催は中止になりました。APECで米中首脳会談を行う予定だったので、その首脳会談が行われないということから、政治的リスクの高まりを感じ、株価等は下がっていました。しかし、先週に米中で部分的な合意がなされました。そのおかげで、政治的な懸念材料が小さくなったので、割安だと考えられている株に大きな資金流入が起こりました。そのため、日経平均株価が上昇したのではないかと考えられています。

 

また、②のブレグジットということに関しては、イギリスが合意なき離脱をする可能性が高く、そこから生じる政治的金融リスクがありましたが、この離脱の合意期限が12月の総選挙まで延期になりました。政治的リスクが和らいだためリスクオンの買いが集まりました。

 

③~⑤に関しては、①や②の出来事に派生して、懸念がなくなってきたという側面があります。また、米雇用統計やGDP発表などで、市場予想値よりも高い数字が発表されたことで、景気後退の懸念材料が小さくなったということから、株に資金が流入したという側面があります。一方、日本では10月31日に日銀の金融政策の決定がありました。今回の焦点はマイナス金利をさらに進めるか否かということでしたが、今回の決定は金利は据え置きでした。それは、世界的に見ると景気に対する懸念材料が大きいけれども、米中貿易摩擦における懸念材料が小さくなったことは事実であるとの見方からです。

 

このように先週では、依然として大きくあった懸念材料が小さくなってきたということから、市場ではリスクマネーに資金が流入し、日経平均株価が年初来の最高値を更新し、S&P500は過去最高値を更新しました。

 

しかし、どうやらここらは注意が必要かもしれません。

昨日のニュースで、デモが盛んに行われている香港でのGDPが前期比で3%近く下落しているようです。これは香港がしっかりとリセッションに入っているということを指します。このため、米企業の6割は香港から撤退することを検討しているようです。このリセッションははっきり言ってしまえばわかり切っていたことです。しかし、問題はこのリセッションがどこまで波及するかです。

こういった問題は金融の構造的問題に波及する可能性があります。香港には、アメリカが圧倒的な1位とは言え、世界で5番目に取引量の多い、香港証券取引所があります。そこにまで今回のデモの影響が及ぶ場合には、金融の構造的な問題を浮き彫りにして、金融上の大きなリスクになります。

短期的には景気後退の懸念材料は小さくなったとはいえ、当分はこの懸念材料が大きくなる可能性もあります。一度利確することも視野に入れておいた方がよいのではないでしょうか? 年末あたりまでは、このリスク資産の上昇という動きは続き、年始あたりから香港の影響が出てくる可能性が高いと思います。

ただ、投資の格言に「天井売らず底買わず」というものがある通り、どこが底値でどこが高値なのかを見極めるというものは非常に難しいです。ある程度の目標を定めて、そこに到達したらすぐに売ってしまうのも一つの手であると思います。

 

今回の内容は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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