債券投資においてマイナス金利がどんな意味を持っているのか?

みなさん、こんにちは!

現在ヨーロッパの多くの国でマイナス金利が適用されていますよね。日本でも2016年からマイナス金利が適用されました。それによって、日経平均株価も大きく上昇し、また日本の通貨安も大きく進みました。この期間に外国の株式や日本の株式に投資をした人であれば、大きく儲けることができた人もいるのではないでしょうか? 今回は、そのマイナス金利について書いていこうと思います。

 

〇マイナス金利とは?

マイナス金利とは、通常銀行等にお金をお金を預ける場合には現状ですと、ほんの雀の涙ほどですが金利がついて、増えます。しかし、マイナス金利の場合には銀行にお金を預けると、毎年手数料として、少しずつお金が減っていきます。このように、金利が付かないどころか、預けているだけでお金が減っていくことをマイナス金利と言います。

しかし、現在では銀行預金にはマイナス金利は適用されていません。ではどこでマイナス金利が適用されるのかというと、銀行が日本銀行にお金を預ける場合です。日本銀行は「銀行の銀行」という役割を有しており、その口座には以下のような役割があります。
①銀行が他の銀行や日銀取引をする場合に使う口座
②金融機関が個人や企業に現金を支払うための準備をする口座
③準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金

現状でマイナス金利が適用されるのは、③の準備預金制度の対象になっている金融機関の準備預金の超過準備預金にのみ適用されています。なので、あまり心配になる必要はありません。

しかし、一点だけ注意しなければならないことがあります。

 

〇10年国債のマイナス金利

その注意するべきこととは、10年国債の利回りでさえマイナス金利が適用されるようになったということです。10年国債にマイナス金利が適用されるとどうなるのでしょうか? 国債は満期が到来すると、額面通りの金額で償還されます。例えば、額面100円の債券であれば、満期が到来することで必ず100円で償還されます。そして、債券なので必ず利息が付きます。その利息は年に2回年率0.1%つくとします。これではマイナス金利ではありませんよね。ここで重要になってくるのは、この債券の取得価格です。

ここでは例えば、10年満期の国債で、金利が0.1%で、額面価格100円に対して発行価格101.15円の債券を考えます。この場合、額面1万円分の債券を保有している場合には、毎年0.1%なので、10円の利息が付いてきます。しかし、満期になった場合を考えてみましょう。満期になると債券の額面で必ず償還されます。なので、戻ってくる金額は1万円です。しかし、この1万円分の債券を取得するのに要した金額はいくらでしょうか? 発行価格が101.15円なので、10115円で取得することになります。ということは、満期の10年まで保有することで、115円分のキャピタルロスになります。毎年の0.1%のインカムゲインは10年で100円になるので、トータルで見ると15円の運用損失が生まれています。これが10年国債におけるマイナス金利の正体です。

 

このように、マイナス金利は預金において現状考える必要はないですが、酷さに投資をする場合には、その取得価格と額面価格に十分に注意する必要があります。

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