アロケーションファンドの力 ~円奏会から見る保全を目的とした投資~

 みなさん、こんにちは、りょーへーです。この記事を開いていただきましてありがとうございます。

 

いよいよ3連休も終わりですね。皆さんはどうお過ごしでしたか? というより、そもそも三連休でしたか? 私は、大学の時の友人がやっと希望の職に就けるということで、そのお祝いで東京に行き、友人と遊んできました。その際に池袋にあるMAZARIAでVR体験をしてきたのですが、やはり面白いですね、ゲームというのは。あの視覚と聴覚を現実から切り離すというのは面白い体験ですが、そこに触覚を現実から切り離すという要素が加わったら、本当に恐ろしい体験になると思いました。

 

ところで、以前書いた記事の中に、投資をするときにはリスクを分散させることが必要であり、投資信託で運用を行うのであれば、バランス型のファンドで運用を行うことで、リスクを低減することができるということを書きました。そして、そういったバランス型のファンドにはリバランス型のファンドとアロケーション型のファンドがあるということを書きました。その記事を読んでいない方は、ぜひそちらを読んでから読むとわかりやすいと思います。

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長期分散投資の有効性分析(20年分のデータ分析)

リバランス型とアロケーション型

 

さて、今回の内容はそのバランス型の投資信託の一つを紹介したいと思います。

それが「東京海上・円資産バランスファンド」です。

これは、東京海上グループの東京海上アセットマネジメントが運用をする投資信託で、投資対象は日本国内の株式、リート、債券です。そして、運用の特徴は、その時々の状況に応じて資産配分を変更するというアロケーション型の投資信託です。

 

具体的にどういうことなのでしょうか?

通常の資産配分は、株式とリートが15%ずつで、債券が70%で運用をします。しかし、株式やリートはリスクが高く、景気の影響で大きな変動がありますよね(景気と株やリートの価格変動性は正の相関関係にある)。それに対して債券は短期的にも長期的にも大きな変動がありませんよね(債券と景気は相関関係が低い)。こういった特徴を使います。もし株式のみで運用をする投資信託の場合には、景気の向上で大きな利益を狙える可能性がありますが、その一方で景気の後退で大きな損失を抱える可能性があります。そこに債券を混ぜることによって価格の変動性を小さくする効果があります。

また、景気の下落局面においては、合計で30%もある。リスク性資産が価格の下落を起こしてしまいます。そこで資産配分を変更するのです。不況などの景気下落局面においては、債券の割合は70%のままであるが、株式とリートの割合を一番小さくて2.5%まで落とします。空いた25%の部分には、短期金融資産を組み込みます。短期金融資産とは要するに現金みたいなものです。名目的な価値が下落することはほとんどありません。

このようにその時々の景況に応じて資産配分を変更し、資産価値を守りながら着実に増やしていくということがこの投資信託のコンセプトです。

 


 

Contents

〇 では実際に運用状況がどうなのか見ていきましょう。

下のグラフをご覧ください。
グラフは今回紹介する円奏会(青色)と日経225(オレンジ)の推移を表したもので、2012年11月9日の基準価格を100として、2019年11月1日までにどのように推移しているかを表します。

 

グラフを見ていただければわかると思いますが、時間をかけているので、日経225に連動するように運用をした方が利益率が高いです。また、円奏会の方が日経225よりも値動きが小さいこともわかります。このようなグラフを見ると、そういうバランス型のファンドよりも日経225に投資をした方がよいのではないかと考える人もいるかもしれません。

確かに、最終的な利益率だけを見れば日経225で運用をした方がよいことは一目瞭然です。特に私のように投資をするには時間がたくさんある人やたとえ評価損が出たとしてもその後の賃金等でその評価損分を簡単に取り返せる範囲内のお金で運用をしている人にとっては、なおさらです。

しかし、別の場合を考えてみましょう。今後投資をするには時間が有限な人や働いておらず年金で生活している人にとっては、いくら時間をかければ高い収益性がある投資信託といえども、その高い収益性に対しては高いリスクがつきものです。

例えば、現在の30歳の人が100万円で日経225で運用をしている場合と70歳の人が1000万円で運用している場合を考えてみましょう。そして、投資信託の基準価格が10%下落しました。その時の評価額はいくらになりますか? 100万円で投資をしている人は90万円で、1000万円で運用している場合には900万円です。どちらも10%の損失ですが、損失額は異なります。一方は10万円だけである上に、まさに働き盛りの年齢です。今後重要なポストについてますます給料が増えていくので、10万円分は簡単に取り戻せる上に、退職するまでに少なくとも30年はあります。極論を言えばこの30年の間に指数が大きく上昇してくれればよいだけです。しかし、70歳で1000万円運用していた場合にはどうでしょう。収入は年金収入のみで、ためた資産を毎月取り崩しながら生活していた場合には、10%の下落ではあるが、100万円の損失です。そして、株式のみで運用をしていた場合には、このような10%の価格変動というのはざらにあります。2018年の10月から2018年の12月までの間には20%弱下落したことがあります。

しかし、円奏会はどうでしょう? 確かに下落している局面もありますが、株式の下落と比べても著しく低い下落幅ですよね。また、下落が低いだけではなく、小さいながらも右肩上がりです。7年で約40%上がっています。これは、年率換算で5%ずつ上昇しているということを指します。

何が言いたいのかというと、短期で運用する場合、株式などで運用をすると、景気の影響で指数が乱高下し、資産価値が大きく変動しますよね。そのような資産にいつ必要になるかわからない金額を入れておくと、場合によっては大きな損失を抱える可能性があります。しかし、このような資産配分を変更する投資信託で運用を行うことで、資産価値の下落の可能性を抑えながら、預金にただ置いておくだけよりも高い利息を受け取ることができます。たとえ最終的な利回りが日経225と比べて低いと言えども、大きな金額を預けることによって利益の金額を大きくすることができます。

 

このように円奏会は、投資の目的が大きなリターンを狙うことではありません。低金利時代における資産の保全です。

 

今回の内容は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。
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